妊娠中でも蜂の子は食べていい?

妊娠中に蜂の子は食べてもいい?

妊娠中は、母体にいる胎児の成長のために栄養豊富なものを積極的に食べたいと思いますよね。蜂の子は栄養価が高い食品ですので、妊娠中に食べて栄養を補給したいと考えている方も多いでしょう。
しかし、蜂の子はハチミツの素となっていることから「妊娠中に蜂の子は食べてもいいの?」と疑問を抱く方が多数です。

赤ちゃんがハチミツを食べてはいけない理由は、ハチミツに「ボツリヌス菌」が含まれているからです。
ボツリヌス菌は食中毒の原因菌の一種なのですが、ハチミツに含まれるボツリヌス菌の量はごく微量ですので免疫機能がしっかりと働いている大人が食べても菌に感染することはほとんどありません。しかし、1歳未満の赤ちゃんは免疫機能が未熟なので、ごく微量であってもボツリヌス菌が増殖し「乳児ボツリヌス症」を発症してしまう恐れがあるのです。
ハチミツをつくっているのは蜂であり、その幼虫である蜂の子もボツリヌス菌に感染する可能性があるのでは?と不安になる方も多いかもしれませんが、蜂の子にハチミツは含まれていませんので蜂の子を食べてボツリヌス菌に感染する可能性は極めて低いといえます。

むしろ蜂の子には妊娠中に積極的に摂る必要がある栄養素が豊富に含まれています。
蜂の子に含まれる栄養の中でもとくに、亜鉛、鉄分、カルシウムは母体と胎児の健康維持に欠かせない栄養素です。

妊娠中に摂りたい蜂の子の栄養素

亜鉛

亜鉛は体内にたったの2g程度しか含まれていないのですが、妊娠中には胎児の細胞分裂に関与する重要なミネラルです。
具体的には、胎児の中枢神経系や免疫機能などの発達をサポートしますので、亜鉛が不足すると発育不全や低体重児などのリスクを高めます。
胎児の健康と発育のために亜鉛は欠かせません。

鉄分

鉄分は貧血予防のために欠かせないミネラルです。
妊娠中に鉄分が不足して貧血を引き起こすと胎児に十分な血液を送ることができなくなり、発育に支障が出て未熟児になるリスクが高くなります。
また、母体が貧血状態のまま胎児が生まれると、生まれた赤ちゃんも貧血になる可能性が高くなりますので貧血予防のために鉄分の摂取は重要です。

カルシウム

カルシウムは心を安定させる働きがありますので、精神が敏感な妊娠期に不足すると出産への不安が大きくなったり、イライラしやすくなったりまします。
また、妊娠中に母体がカルシウム不足になると、胎児の骨の形成のために母体の骨からカルシウムを溶かして補給しなければなりませんので、出産後は骨粗しょう症になりやすくなります。

ほかにも、蜂の子にはアミノ酸、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれていますので、栄養バランスの整った食習慣が大切な妊娠期の補助食品にはおすすめです。
ただし、妊娠中や授乳中は通常よりも体が敏感になっていますので、蜂の子を摂取する際は自己判断ではなく、必ずかかりつけのお医者様に相談してから摂取してくださいね。

妊娠中の摂取に注意が必要な栄養素

妊娠中に積極的に摂らなければならない栄養素がある反面、摂取に注意が必要な栄養素もあります。
今回は5つご紹介します。
※蜂の子にはこのうちリン、脂質、塩分・糖分が含まれていますが、蜂の子で摂りすぎる心配はありません。

ビタミンA

ビタミンAの過剰摂取は胎児の奇形を引き起こすリスクを高めます。
現段階では、ビタミンAに含まれる「レチノール」の摂り過ぎが胎児の奇形を引き起こしていると考えられていますので、ビタミンAだけでなくレチノールにも注意が必要です。

リン

リンの過剰摂取は妊娠中に大切な鉄分とカルシウムの吸収を阻害します。
リンは清涼飲料水やスナック菓子、ハムやソーセージなどに多く含まれていますので、妊娠中はできるだけ控えるようにしましょう。

脂質

脂質は取り過ぎると脂肪になります。
脂肪が直接的に胎児に悪影響を与えるということはほとんどありませんが、妊娠中に脂肪が増え過ぎると胎盤の機能が低下しやすくなり帝王切開で早産となるリスクが高くなります。

水銀

水銀の過剰摂取は胎児の知力や運動能力に悪影響を及ぼします。
通常の食生活で水銀を摂取することはないだろうと安心している方もいるかもしれませんが、水銀は本マグロ、クロムツ、キンメなどスーパーなどにも流通している魚に多く含まれていますので、妊娠中はこれらの食べ過ぎに注意が必要です。

塩分、糖分

妊娠中の塩分の摂り過ぎは妊娠中毒症を引き起こすリスクを高めます。
ファーストフードやスナック菓子、レトルト食品には大量の塩分が含まれているだけでなく、食品添加物、脂質が多く含まれていますので、妊娠中は控えましょう。
妊娠中の塩分目安摂取量は8g以下ですので、8gを上回らないように気を付けましょう。
また、妊娠中は塩分だけでなく糖分の摂取にも注意が必要です。
糖分の中でも白砂糖は、体内で代謝する際にビタミンとカルシウムを大量に消費します。
カルシウムもビタミンも胎児の発育には欠かせない栄養ですので、胎児の栄養を奪ってしまう白砂糖の摂取は控えましょう。

妊娠中には蜂の子+葉酸がおすすめ

このように、妊娠中に積極的に摂った方が良い栄養がある反面、妊娠中は控えた方がいい栄養素もあります。
蜂の子には妊娠中に積極的に摂った方が良い栄養素がバランスよく含まれていますが、妊娠中にとくに大切な栄養素である「葉酸」は含まれていません。
葉酸は胎児の脳神経の発達や神経管の形成に関与していますので、妊娠中の女性や妊娠を望む女性は1日に0.5mg以上の葉酸を摂ることが推奨されています。
葉酸が多く含む食べ物には、ほうれん草、アスパラガス、モロヘイヤ、ワカメなどがありますが、調理が手間であるときはサプリメントでの摂取がおすすめですよ。
蜂の子に葉酸のサプリメントをプラスすることでより母体と胎児の健康効果を強化します!
蜂の子を摂取する際は必ずかかりつけのお医者さまに相談しましょう。

【参考文献】
妊娠中に蜂の子を食べても大丈夫?
http://soul.ivory.ne.jp/soul/konnyaku/
妊娠中でも蜂の子は食べていいの?
http://otk.minim.ne.jp/intake-during-pregnancy.html